第46章 ヒヤシンス
Jun side
今日は午前中からレギュラー番組の収録がある
そこで翔くんには会えるけど…
どうしてもその前に顔が見たくて…
翔くんのマネージャーに居場所を聞いたけど
知らないと言われたから
集合時間よりだいぶ前に楽屋に入った
翔くんはいつも早く来るから…
ここにいれば二人きりで話せると思って…
それなのに
翔くんは時間ギリギリまでこなくて…
番組収録中は
話を振られることもあったけど
目が合うことは一度もなかった
収録が終わって
立ち寄ったトイレの手洗い場で
潤「はぁ…」
大きく深く息を吐く
潤「翔くん…」
名前を呟くと枯れることない涙が零れる
その涙を拭ってもう1度深呼吸をしてトイレを出た
せめて本心が聞きたい…
なんであんなこと言うのかだけでも聞きたい…
楽屋の前につくと
翔『じゃあお疲れ!』
翔くんの声が聞こえて
メンバーの“お疲れ様”も聞こえたから
入口で翔くんが出てくるのを待った
すぐにドアが開いて出てきた翔くんと目が合う
でもその視線はすぐに逸らされて
翔「お疲れ様」
何か声をかける暇さえ与えられないまま
立ち止まることもしないで
俺の横を通り過ぎていった
追いかけなきゃ…と思うのに
足が思うように動かない
雅「松潤何してんの?入らないの?」
相葉さんの声が聞こえて
潤「あ,ああ…うん…」
なんとか返事をして楽屋に足を踏み入れた
もう今後話すこともできないのかと思うと
嗚咽が漏れそうで…
メンバーに背を向けてなんとか堪えていた