第46章 ヒヤシンス
Sho side
仕事の電話もあるから
電源を切るわけにはいかない
だから潤からの着信も
メッセージも受信してしまう
予想通り,潤は俺の家に来ていて
俺の帰りを待っているみたいで
帰らなくて良かった…
まだ会う自信がないから
急遽マネージャーにとってもらったホテルで
広いベッドに沈み込んだ
昨日寝てないからすぐに
暗い闇の中に落ちていく
明日はレギュラーの収録だから
潤と顔を合わせることになる
揺らがないように…
潤の幸せを一番に考えるって決めたから
そう言い聞かせて眠りの淵に落ちた
「松本さんから連絡ありましたよ…言われた通り,知らないって言っておきましたけど…」
何かあったのか,というマネージャーの視線
心配してくれてるんだけど…これは言うわけにいかない
翔「ありがとう…これからもそれでお願いします…打ち合わせとか言われても…脅されても…それで通して…」
俺があまりにも淡々と言うから
マネージャーもそれ以上は突っ込んでこなかった
いつもは一番に楽屋に入るけど
今日はギリギリの時間
翔「おはよー…やっべえ,時間ねぇつ」
慌てたふりして入ると
皆が一斉に俺に振り返る
潤が遠くで席を立ったのがわかった
翔「俺,着がえてくるねっ」
鞄を放り投げて楽屋を出た
和「あっぶなっ」
雅「珍しいね,頑張れー」
楽屋のドアが閉まる時
メンバーの声と潤の視線が
背中に刺さった