第46章 ヒヤシンス
Sho side
潤「連絡ないから心配したよ?体調大丈夫??」
リビングに佇んでる俺に
潤は後ろからギュッと抱き着いてきた
この温もりが当たり前だと思って
ずっと一緒に居られると思ってた
傍に居ろよ…と
潤を縛り付けて…
俺は潤の将来を縛り付けて
“普通”の幸せを…奪ってる…
でも
「もう別れよう」
その一言が出てこない
そんなこと…言いたくない…
潤「翔くん…?」
何も言わない俺を不安そうに覗き込んでくる
その視線から逃れるように
潤の腕を柔らかく解いた
翔「大丈夫…体調は悪くないよ…」
それだけ言って
トイレに逃げ込んだ
俺は…どうしたいんだろう…
長くトイレに入ってるわけにもいかなくて
リビングに戻ると
潤は誰かと電話をしていた
それを邪魔しないように
暗い寝室に入ってベッドに座った
遠くから潤の話声が聞こえてくる
潤『そっかぁ…いいなぁ…羨ましいよ…』
電話の相手は…たぶん友達…?
潤『結婚式,なんとか開けられるように調整するから…うん…まかしとけっ』
…結婚式の招待状が来た友達か…
潤『可愛い奥さんだもんな♪いいなぁ,幸せそうだな…』
…当たり前の会話
でも俺にはそれが痛かった
潤「翔くん?」
気づいたら部屋の中に潤がいて
パチンと電気がつけられた
潤「ごめんね,友達から電話で…ご飯…食べよう?」
翔「ん…食べようか」
近づいてくる気配に立ち上がって
潤より先に寝室を出た