第46章 ヒヤシンス
Jun side
一人で寝る夜なんて普通にあるのに
どうしようもなく淋しくて
家に置いてある翔くんの部屋着を勝手に着てベッドに入った
送ったメールに返事がないことが余計に不安を煽る
きっと疲れて寝てしまったんだと
何度も自分に言い聞かせて
うとうととしながら仕事の時間を迎えた
夕方前に仕事を終えて
スーパーで買い物だけして急いで家に帰る
食べやすいもの…
あったかい麺とかがいいかな…
翔くんの好きな蕎麦にしようか…
家に着いて着替えていると
突然水音が聞こえてきて
窓の外に雨が降り始めていた
[お仕事お疲れ様
夕飯は蕎麦にしたよ
雨降ってるから気をつけて来てね]
返事はいまだに来ないけど
それだけ翔くんに送って
携帯をソファの上に放った
蕎麦の具材を切っていると
ピンポン…とインターフォンが鳴り響いた
待ち侘びたその音に
潤「はいっ!」
勢いよく出ると
翔『…櫻井です』
小さな声が聞こえた
解錠して
雨だから…と,タオルを持って玄関に向かうと
ちょうど翔くんが入ってきた
潤「おかえり
雨降ってるね…大丈夫だった?」
翔「…ありがと」
差し出したタオルで
翔くんが軽くカバンとかを拭いてから
ゆっくり家の中に入って来た