第46章 ヒヤシンス
Jun side
翔くんと旬が戻ってきて
暫く飲んでいたけど
斗「そろそろ帰るかー…俺明日早いんだよね」
その斗真の一言でみんな準備をして立ち上がった
潤「翔くん?酔った?」
途中から口数の減った翔くんが心配で
顔を覗き込むようにしながら声をかけると
ピクンと翔くんの肩が跳ねた…ような気がした
翔「平気だよ?」
でもすぐに笑いかけてくれて…
翔「俺纏めて払ってくるから先行ってて」
直後にその場から逃れるように歩き出した
潤「どーしたんだろ…」
小さく呟いた声に重なるように
斗「俺らも行こうぜ」
肩に斗真の手が回って押されるように俺も足を進めた
店を出てタクシーを捕まえて
翔「じゃあ…潤また連絡するから
斗真達もまたな」
反対方向の翔くんがタクシーに乗り込もうとする
斗「え?」
斗真が声をあげると同時に
潤「一緒に帰らないの?」
翔くんの腕を掴んだ
でも
翔「俺明日早朝からでさ…仕事終わったらメールするから」
そう言って視線を合わさないまま
掴んでいた手を柔らかく外された
潤「えっ…翔く…」
いつもなら朝早くても一緒に寝てるのに…
そう言いかけた言葉は
ポンと髪を撫でられて
すぐにタクシーに乗り込んだ翔くんに届かなかった