第46章 ヒヤシンス
Sho side
旬「…何も言わないんだね…」
小栗くんの言葉に
何も言えなかった
潤も…もしかしたらそのことで悩んでたのかもしれない…と思ったから
両親に言う…
それはたぶんできないだろう…
俺とずっと居たら
当然孫だって無理
俺も…潤も長男で…
こんな仕事をしてたって親はどこかで期待してるはずで
俺は潤の両親の期待も裏切ってることになる…
旬「…反論とか…しないの?…そんなんで…潤を幸せにできるの…?」
言葉が刺さる
小栗くんの言ってることは
全部正論で反論なんて…できない
「櫻井くんだけが悪いとは言わないけど…」小栗くんの言葉が頭に響く
そうか…悪い事…だったんだっけ
俺達の関係って…
…そうだよね…
それに…自分でも潤を幸せにできるのか…不安で仕方ないんだ…
旬「だったら…もういいんじゃない?」
小栗くんが一歩近づいてきた
下がりたいのに下がることもできない
足が動かない…
旬「12年…でしょ…?ずっと潤は櫻井くんだけを見てたんでしょ?女の子といっぱい恋愛してる…みたいなこと言ってたのは嘘だったんでしょ?」
たしかに…昔はよく言ってた…
潤は…俺との関係を隠すのに必死で…
旬「もう…解放してやってよ…アイドルだから堂々と付き合えないって言ったって…男と女じゃ話が違うよ…」
頭の上から強い言葉が降ってくる
何も言い返せない…
何も弁解できない
旬「頼むよ…」
小栗くんは…潤の事を考えて
言ってくれてる…
俺じゃ…ダメなんだって…
結局…俺は何も言えないまま
潤と斗真の待つ個室に戻った
遅いっ…と抱きつかれて
躰が強張る
潤の声があんまり耳に入ってこなかった
ちゃんと笑えてるかな…
俺が小栗くんに言われたことを知ったら潤は傷つくから…
絶対に言えない
でも…じゃぁ…どーしたらいいんだ
12年…これまで守ってきたものを
そんな簡単に手放せるのか…?
でも…
潤を大切に思う人の言葉は
やっぱり…重い…