第46章 ヒヤシンス
Jun side
翔くんがトイレに立ったすぐあとに
旬「俺もトイレー」
旬もその後を追うように立ち上がった
旬が出ていった入口を斗真の視線が追いかける
潤「どーした?」
つまみのサラダを箸で掴みながら聞くと
斗「いや,なんでもない」
こっちに向き直って
斗「ほんと12年って長いよなー…」
しみじみと言った感じで俺を見てきた
斗「なんかさ,ないの?失敗談とか」
ふっと悪戯な笑みを向けられる
潤「なんだよ失敗談って」
聞き返すと
斗「あの時はバレそうだった!とか…
こんなとこでヤったことある!とか…?」
その言葉に思わず口に含んだビールを吹きそうになった
お前ん家のリビングだよ…
そんなこともちろん言えないから
ビールとともに言葉を飲み込んだ
潤「ツアー先の楽屋の風呂場?」
酒の場ってこともあるのと
斗真だからってことで
軽くそう返すと
斗「まじでっ?」
勢いよく反応してきた
潤「しかも次の日メンバー風呂入っててさ…すげー恥ずかしかった」
俺の言葉に腹に手をあてて笑う斗真を見ながら
なぜかいろんなことが浮かんできて…
一緒にいれればそれでいい…こんなに幸せなのに…
改めて心の中で呟いた