第3章 ドルフィン*Dolphin*
<潤>
消灯した部屋の小さな明かりの下
潤はバンダナを見つめていた
会いたいけど
結局待つことしかできない
でも…いつも潤が気づいた時には
居なくなってしまう…
子供の頃どうしても見たかった
サンタクロースみたいだ…
潤「あ…」
潤は手に持っていたバンダナを握りしめた
-気付かないふりをすればいいんだ-
子供の頃サンタを見たくて寝たふりをしたことがあった
結局…代理で届けてくれた父親を見てショックを受けただけだったけど…
今回はそんなことはない…
潤は心に決めてバンダナを握ったまま
来るかわからない影を待ちながら眠りに落ちた
巡回の看護師がナースステーションに戻った頃
ようやく影が潤の病室に入って来た
潤は夢の中
影は潤の手元にあるバンダナに気づき
少し考えてからまたソレで目隠しをした
潤はまだ気づかない
影が布団を捲って
Tシャツの裾から手を忍ばせる
潤「…っ…」
そこでようやく
潤が目を覚ました
でも…今回はジッと耐える
また来てくれたことが嬉しくて
胸の高鳴りを抑えるのに必死だった
しばらく躰を弄っていた影が
潤のズボンに手をかけた
-え…??-
何をされるのか…されているのか
考える暇もなく
中心が温かいものに包まれていた
潤「っ…っ…」
両手はいつの間にかしっかり捕まれていて
目隠しをとることは出来ない
潤「っ…ぁ…はぁっっ…」
もう寝たふりなんてできなくて
潤の口から吐息が漏れた
勝手に腰が揺れる
今までのどんな時よりも感じていた
潤「っく…ぁ…っ…イ…っ…ぁっっ」
あっという間に登り詰めた潤は
ちゅっと先端を吸われるのと同時に
影の口の中へ熱を吐き出した
潤「っぁ…はぁっ,はぁっ…待っ…」
ゴクンと飲み下す音が潤にまで聞こえた
それに顔を熱くしながら
捕まれた両手を
逆にギュッと握り返すと
影はびくっと躰を揺らした
潤「待って…顔が見たい…」
身を捩ってなんとか目隠しを外そうとすると
それを阻止するように影が覆いかぶさって
潤をギュッと強く抱きしめた
潤「っ…あ…っ…待ってっ…」
そのまま…あっという間に
影はカーテンの隙間から消えて行った
潤は慌てて目隠しをとって
追いかけようと起き上がった
潤「うわっ…ぁぁっ…」
勢い余って手が滑り
ベッドから盛大に転げ落ちた