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FIVE COLOR STORM

第3章 ドルフィン*Dolphin*


〈雅紀〉

潤「おっと…あぶね…」

やっと吊ってた足が外されて
松葉杖を使えば院内くらい歩けるようになった潤は
早速…と1階にある売店に向かう

今日は火曜日

昨日発売されているはずの
週刊漫画雑誌を読むのを楽しみにしながら
小さなその店内に足を踏み入れる

けど…

雑誌が置かれてる棚を前に潤は
どうしようかと考え込む

手は松葉杖で塞がっていて
雑誌を取るとバランスを崩してしまいそうで…

その時

雅「コレですか?」

すっと隣から手が伸びてきて
潤が求めていた雑誌を店員が取ってくれた

潤「あっ…はい,ありがとうございます…」

慌てて視線をあげてお礼を言った先の彼は

雅「コレおもしろいですよね!俺も読んでるんですよ」

そう言いながら太陽みたいにキラキラの笑顔で微笑んでいて…

その笑顔に一瞬潤は見惚れた

雅「病室まで一緒に持って行ってあげましょうか?」

彼の笑顔から視線を外せないでいると
袋に入った雑誌を雅紀が抱えている

潤「えっ…あ…えっと…」

正直有難い申し出だけど
そんな迷惑はかけられない

アワアワと悩む潤を店員雅紀は
可愛いな…と見つめて顔が緩むのを自覚する

雅「全然大丈夫ですよ」

潤にそう優しく声をかけてから

雅「ちょっと店番しててもらえる?」

奥の誰かに声をかけて

雅「行きましょうか」

雅紀はふわっと潤の背中に手を添えた

潤「あっ…ありがとう…ございます…」

その体温があたたかくて
心臓がちょっと早くなるのを潤は感じていた
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