第2章 ナービー*Nabi*
Kazunari side
ドアを閉めて
鍵も閉めて…
密室で先生と2人きり…
いつも勉強するときはそうだけど
今日は意味が違う
和「せんせ…」
嬉しくて,先生に近づくと
先生は眉をさげて困った顔をする
潤「ね…かずくん…俺をあげる…けど…それは…俺の恋人になってくれるってことで…良いんだよね…?」
先生に言われて初めて気づいた…
俺,先生が欲しい欲しいって
そればっかりで…
ちゃんと何も伝えてない…
か…かっこ悪っ…
顔に熱が集まるのが分かった
えっと…ちゃんと伝えなきゃ…
焦って視線を彷徨わせる俺の手を
先生が握った
潤「かずくん…俺は…ずっとかずくんのことが好きだったんだ…ホントは…かずくんが受験終わるまで,言うつもりなかったけど…俺は和くんの恋人になりたいよ…付き合ってほしい」
先生はまっすぐ
はっきりと伝えてくれた
俺とは大違い…
先生は可愛いけど…
やっぱり俺より大人なんだって
はっきりわかった
潤「かずくん……かずなり…は?」
名前をちゃんと呼ばれて
ドキッとした
答えなきゃ…
早く…
俺も好きって…
恋人になりたいって…
言わなきゃ…
焦れば焦るほど
ちゃんと言葉が出てこなくて
先生の手を何度も強く握った