第1章 チャンパー*Champi*
Kazunari side
ずっと…秘めてきた想い…
憧れ続け,大切にお世話をしてきた宝物
その生身の躰を前にして
理性なんて保てるはずがなかった
雅紀が離れてすぐに
その柔らかい唇を塞いだ
翔「んんっ…ぁふっ…んー…っふぁ…」
躰から力が抜けて
パタンと腕がベッドに落ちた
雅紀がしっかりと背中を支えて
その正面から坊ちゃまを見つめる
ピンクに染まり火照った頬に手を添えた
和「坊ちゃま…今夜…我々と過ごすのなら…また新しい大人の世界を知ることになりますが…?覚悟は宜しいですか…?」
ダメだと言われても
もう引き返すことはできない
でも…もし…今だけでも許してもらえるのなら…
翔「新しい…大人の世界…?」
トロンとした顔で俺を見つめながら
言葉を繰り返す
和「えぇ…坊ちゃまの知らない…大人の時間です」
頬に添えていた手をスッと首筋に落とした
ピクッと坊ちゃまの躰が跳ねて
キュッとシーツを掴んだ
翔「そしたら…カズと…雅紀と一緒に居れる?俺も…大人になれる?」
縋るよな瞳から一粒の雫が零れ落ちた
雅「坊ちゃま…」
後ろから抱きしめる雅紀の腕に
グッと力が籠もった
和「えぇ…坊ちゃまが望んでくださるなら…私達はずっと…あなたのお側に居ます…もう…坊ちゃまは大人ですから…」
もう一度坊ちゃまの唇を塞いだ
翔「んん…んっ,はぁ…ぁ…教えて?大人のこと…」
唇の端から飲み込めなかった唾液が流れた
すかさずそれを雅紀が舐めとった
雅「かしこまりました…お任せください…」
雅紀がゆっくりと坊ちゃまをベッドに寝かせた
シーツに沈む坊ちゃまは
今までで一番美しく見えた
和「愛しています…心から…」
見つめると
熱の籠もる黒い瞳が
大きく揺らぎながら
俺たちを交互に写していた