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大野さんのバカ

第3章 3


Kazunari side

今度は俺が智を見上げる
愛おしそうに俺を見下ろす瞳に
今迄と同じように愛を感じる

再び智の顔が近づいてきたとき

写真の中で得意げに笑う
あの女の顔が脳裏をよぎった

思わず,智の肩を掴んで止めた

智「和也…?」

和「…あのヒトにも…そうやって,同じようにキスしたの?」

俺の問いに智の顔が強張る
聞かれたくないことだってわかってる

でも,俺はすべてをなかったことにして
ただ黙って抱かれるような
そんな都合の良い奴にはなれない…

和「ねぇ…あのヒトを抱いたように,俺を抱いてみて…」

残酷なコト
それは俺にとっても同じ

でも…

忘れることができないならいっそ

あの女に見せた顔も全部見ておきたい…

智「それは…できない…」

起き上がって首を振る
「ごめん…」と何度も謝っている

頬を伝う涙を手で拭ってやって
優しくキスをする

和「だめだよ…ちゃんと,見せて…」

あくまでも優しく囁く

許さない…
その想いを込めて

智「…和也の変わりだったんだよ
それ以外になんの感情も無かった…だから…」

俯き,涙を流して許しを請う

そんなことで許されると思ってるんだろうか…

甘いんだよ,あなたは…

和「…それなら,俺には触れないで…」

それだけを冷たく言い放って
智の肩を強く掴み
首筋から耳へとしゃぶりつくように舐めあげた
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