第3章 3
Satoshi side
俺の腕の中で身動ぎ1つしなかったニノが
和「…俺のせい…?」
ポツリと言葉を零した
自分が俺を追い詰めたのかと問うニノから離れて
しっかり視線を合わせようとするも
和「うるさい,黙れ」
と躰がベッドに縫い止められる
違う,とかぶりを振っても
和「俺のせいだって,言えよ…」
縋るように見つめられて唇が重なる
和「…愛してるよ…智…」
ニノから伝えられた愛に
こんなことをしてしまった罪悪感と
どうにもなるわけがないと思っていたモノが
実った幸福感で胸がいっぱいになる
それでも瞳で,俺のせいだと言え,と訴えられて
智「和也,愛してる…
本当にずっとずっとお前だけが好きだった
でも最初は愛で始まった関係じゃなかっただろ?
だから,好きになってしまってどうすればいい
かわからなかった」
悪いのは全部俺
でもお前のせいじゃない,と言えば
話を聞いてもらえない気がしたから
否定も肯定もしないまま話し始める
こんな気持ちがバレたら引かれるんじゃないか
頻繁にニノとだけいるのが何かにバレたら
全てが壊れてしまうんじゃないか
気にし始めると怖くて仕方なくて
お前と距離をとろうとしたんだ,と
でもお前がいない寂しさを
1人ではどうにもできなくて
酒で埋めようと行ったバーでリンに会った,と
全てを話し始める俺を黙って見つめたまま
ニノは聞いていた