第3章 3
Kazunari side
何度謝られたって
許せないものは許せない…
でも…
腕の温かさを感じながら
智からもらった優しさを…
そこから感じ取った愛を,思い出す
俺は智に愛されているという自信があった
でも…智は…?
一度も言葉で愛を語った事なんてなかった
今さら照れ臭いのもあったし…
言葉なんかなくても分かり合えてると思ってたから
でも…そうじゃなかった?
和「…俺のせい…?」
智「え…?」
一つの疑問と「全部言わないと解決しない」という潤くんの言葉が頭の中をぐるぐる回る
和「俺が何も伝えなかったから…?
それがあなたを追い詰めたの…?」
俺の言葉に抱きしめていた腕が緩み
慌てて躰が離れていく
智「違う…違うよ…俺が悪いんだ…」
和「うるさい,黙れ」
かぶりを振る智を再び押し倒しベッドに押さえつけた
潤んだ瞳で俺を見上げながら
しきりに首を左右に振る
和「俺のせいだって,言えよ…」
もし…そうなら…
それを認めてくれたら
俺もあなたの罪を背負うよ…一緒に
あなたのしたことは
どうしたって許される事じゃないんだ
それでも…
もし,それが俺のせいだって言うのなら
俺はあなたと一緒にどんな罰だってうけるし…
これからもあなたの傍を離れたりしない
何があってもあなたを守る
ゆっくりと顔を近づけて唇を塞いだ
智「んんっ…っん…」
和「んっ…はぁ,ねぇ…俺のせい…なんでしょ?」
智の瞳から涙が零れる
早く…言って?
智は何も言わずに俺を見ていた
和「…愛してるよ…智…」
初めて伝えるその言葉に俺の瞳からも涙が零れた