第1章 1
Satoshi side
最初は引越し先でも今までと
たまにニノと会って,彼女も遊びに来て,そんなふうに
同じようにするつもりだった
でもそれじゃあ引っ越した意味がない
だけど彼女は引っ越す直前まで遊びに来てたから
俺が引っ越す事もその場所も知っていて
それならニノを呼ばなければいいと
呼ばなければ距離だって開くはず,と思ったのに
和「じゃ,今度遊びにいこー」
可愛い笑顔を浮かべてニノは普通に言う
しかもメンバーの前で
智「え,無理」
俺がニノだけは部屋に入れていたのがバレる前に
即答で断って話を打ち切った
和「大野さん,今日送っていくよ」
レギュラー番組の収録終わり
ニノが車のキーを掌で弄びながら言う
智「いや…マネ「マネージャーには言ったから」」
そう言われると足のない俺は
乗せてもらうしかない訳で
タクシーで…と思っても
メンバーのいるとこでこれ以上の拒否は不自然で
和「行くよー,んじゃお疲れー」
楽屋を出ていくニノの後を追って
智「お疲れー」
俺も楽屋を出た