第3章 3
Kazunari side
俺の姿をみつけて
当然驚きを隠せないでいる
智「…は?え?鍵は…?」
どうでもいい質問に冷たい視線だけ送る
そんな俺に対して,ほんの少し
気まずそうな表情を見せながらも
真っ直ぐこちらに向かって来た
智「…来てくれてよかった…探しに行こうと思ってたんだ」
この人は…
何もわかってない…
智「…ごめん…ニノ…話,しよう…」
そう言って俺の左手を取った
その言葉に,その温かい手の感触に
全身の血が沸いた
取られた手を思い切り振り払い
肩を押してその躰をベッドの上に投げ飛ばした
投げ出された躰に馬乗りになって
気づけば,首を絞めていた
智「っ…ぅ,くっ…ぁ…ニ,ノ…っ…」
苦しそうなうめき声に
我に返って手を緩める
智「っ…はぁっ…ゲホっ…」
苦しそうに首に手を当てながら呼吸をする…大野さん
自分の頬が濡れる
とめどなく涙が溢れてきた
こんなに憎らしいのに…
殺してしまいたいのに…
俺には…
嵐から…大野智を奪うことは,できない…
苦しむ大野さんの腕をベッドに縫い付けて
未だ荒い呼吸で開く唇を塞いだ
こんなに馬鹿にされて
ないがしろにされて
屈辱的な想いをして…
俺は,それでも…
この人が好き
だから憎らしい
乱暴に口内を侵食する
舌に噛みつき,強く吸いだした
智「んんっ…ぅんんーっ…ぁっぅんっ」
苦しそうにもがく,智
もっともがけばいい
俺は…もっと苦しかった
服を破り捨てるように脱がす
あの女が触った…
思い出すたび,全身に噛みついた
智「ぅ…ぁ…痛っ…ぁっ…ニノ,っ,やめ…っ…」
涙を流して「やめて」と訴える
…ふざけるな
俺は何も反応を示さない
智のモノを強く握った
智「ぅぁっ…んぁあっ」
…ねぇ,智…
俺を愛していながら
どんな風に,あの女を抱いたの?