第3章 3
Kazunari side
姿が目に入るだけで
こみ上げてくるものを
抑えることができなかった
翔くんも相葉さんも
フォローしてくれてるのに
触れるのはおろか
目を合わせるのも無理だった
朝,見なければいいのに
記事に対する反応が気になって
ネットを放浪してしまった
ファンの反応は早くて精細
女の顔も素性も
その女が載せた写真も
そこに写りこむあの人の痕跡も
俺に現実を突き付けた
潤「ニノ,ちょっと」
休憩に入ってすぐ
潤くんに呼び出された
何を言われるかはわかってる…
プロとして,自分の行動が最低なことも…
和「ごめん…ちゃんとするから」
潤「…話しはした?」
和「何を言っても謝るしか能の無い奴と何を話すのよ」
八つ当たりなのはわかってるけど
強くなる口調を抑えられない
でもこれ以上,仲間にみっともないところをみせたくない…
和「ごめん…ちゃんと…やる,頭冷やしてくるから」
それだけ言って背を向けた
潤「思ってること…一度全部言わないと,何も解決しないからな」
背中に言葉が刺さる
謝ったって許さない
今更どんな言い訳を聞いたところで
あの人がやった行動は許せないんだ…
でも許せない,と伝えて…その後は…?
目線をあげた先に,翔くんと肩を並べるその姿を確認した
どす黒い何かが湧き上がってくる
憎らしい…
すべてを伝えたら
俺はあの人を
殺してしまうかもしれない…