第3章 3
Satoshi side
どうしたらいいのか
どうするのがいいのか
メンバーが出て行ったドアを
ただ見つめる俺に
「大野さんとりあえず帰りましょう」
マネージャーが声をかけてきて車に乗り込む
家に着いて
ソファに沈み込んだけど
こんな状況でも明日からはコンサートで
宮城の準備をしなきゃ,と立ち上がった時
―ピンポーン
チャイムが鳴った
インターホンを覗くと大きな荷物を持ったニノがいて
返答もせずにロックを解除した
玄関で迎え入れて
ソファに腰掛けたニノにお茶を渡して
和「あれ,どういうこと?」
重たい沈黙をニノが破った
智「…ごめん」
明日からはコンサートで
こんなタイミングで撮られて
何を言われても謝るしかないと思った
でもそんな俺の返答にイラついた様子で
和「本当に事実じゃないの?」
声に怒りが含まれていく
智「付き合っては,いない…」
和「は?どういうこと?
大体さ,何なのこの女」
智「リンっていう…元女優らしくて…」
和「そんなこと,聞いてるんじゃないんだけど?」
はぁっ…と大きなため息が聞こえる
智「ほんと同棲とかはないから…
同棲なんてしてたら今ニノのこと入れてないよ」
和「そんなの,当たり前だから」
でも何を言っても
ニノの怒りは煽られていくばかりで
どんどん語気が荒くなっていく