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大野さんのバカ

第1章 1


Satoshi side

バーで出逢った彼女―リン―とは
釣り,絵,と何かと趣味が同じで
距離が縮まるのに時間はかからなかった

ニノと逢わない時間の淋しさを埋めるように
休日の釣りに彼女を同行させたり
彼女に誘われたパーティに行ってみたり

冷静に考えれば軽率な行為だとわかるのに

ニノと頻繁にいるよりも危険な行為なのは明らかなのに

ニノと距離を取らなきゃ,忘れなきゃ
それだけしか頭になかった俺は
今自分がしているコトの重大さがわかっていなかった


「ねえー,ゲームなんてするんだね」

予定のない日は頻繁に家に来るようになった彼女

多分何気なくソコにあるゲーム機を
手に取ったんだと思う

でもそれはニノの忘れ物で

智「触んな」

思わず冷たい声が出て
彼女の手からゲーム機を取り上げた

「あっ…ごめん…」

智「いや,ごめん…」


この部屋にはニノの忘れ物やら
泊まるとき用に置いてあるものがあって

そして最近は彼女の持ち物も増えてきた

ぐちゃぐちゃなその空気が嫌で引越しを決めた


部屋が決まってニノに伝えようと
携帯画面に打ち込んだメッセージ

でも,次来る時にでいいか,と思い直して
メッセージを消去した
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