第1章 1
Kazunari side
和「ねぇ,今日は?」
いつもみたいにじゃれ合いながらお客さんに手を振ってスタジオを出た
廊下でもその延長で
肩を組みながら歩いていた
いつもの事だから誰も気に留めない
それなのに,大野さんは肩にのせた俺の手をスッとおろした
智「今日は無理」
そっけない返事…
もう一度大野さんの肩に腕を回した
和「明日午後でしょ?俺もだよ?」
智「…無理だって」
再び腕を振り払われて
そのままスタスタ歩いて行ってしまった
…なんか機嫌わるいのかな
スタジオではいつもと同じように絡んでいたのに
急にどうしたんだろ…
最初は,その程度だった
俺もそんなに気に留めなかったし
次にご飯に誘ったら来てくれた
だから,何も気にしてなかったのに
潤「へー,大野さん引っ越したんだ」
楽屋でゲームしてたら
潤くんの声が耳に入ってきた
え!?…俺聞いてないっ
寝転がっていたソファから身を起こして大野さんを見ると
チラッと俺に目をやって逸らした
…なんで?
俺はゲーム機をソファに投げ出して
大野さんが座るテレビ横の椅子に近づいていった