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大野さんのバカ

第1章 1


Satoshi side

和「…もう…ここに…来るなってこと?」

小さく,でもはっきりと呟かれたニノの言葉に
顔が引き攣るのが自分でもわかる

“来るな”なんて言いたくない
毎日だって一緒にいたい

でも俺は“嵐”も大事で
だからニノとのことがバレるなんて
絶対にあってはならないことで

メンバーにだって知られたら
作り上げてきたモノが壊れるかもしれない

必死に言い訳を頭の中で考える

智「…ん…これから,個展の準備で…この家,アトリエ
状態になるからさ…」

俺の言い訳を聞いたニノは
納得いかない,って顔をしながらも
わかった,って荷物を受け取った

自分から差し出したくせに
いざそれがなくなると寂しくて

空気を変えるように

智「朝ごはん,食べようか」

わざと明るい声を出した


現場まではニノの車に乗せてもらって

駐車場から楽屋まで
肩を並べて歩いて

いつもならニノからじゃれてくるのに
今日は無言で歩き続けているから

荷物を返したときの
ニノの傷ついた顔が蘇ってきて

智「俺の家絵で汚くなるからさ
次はお前の家に行かせてよ」

家に来れないことで拗ねてるのかな,なんて
少し自惚れた考えが出てきて

誰も周りにいないことを確認して
腰に腕を回して
そっと耳元で囁いた
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