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大野さんのバカ

第1章 1


Kaxunari side

目が覚めると知らない天井が見えて
ガバッと起き上がった

和「いってぇ…」

起き上がった拍子に躰中が痛んで
再びベッドに沈み込む

目の前に無防備な顔で眠る愛しい顔

あぁ…そっか
大野さん引っ越したんだ…

結局,なんで引っ越したのか,とか
なんで教えてくれなかったのか…とか

いろんな疑問はあるけど

昨日,いつになく俺を求めてくれたのが
きっと大野さんの本心なんだと

そう思えたから

俺の中のモヤモヤする気持ちは
すっかり無くなっていた

躰は痛むけど
昨日あんな狭い場所で貪られた俺の躰はすっかり綺麗にされていて

そんなところにも愛を感じる

惚れた弱み?欲目かな?

それでもいい

だって,俺も大野さんを愛してるから

長年一緒にいるから
今更なところもあって
なかなか言葉にして伝えあうことはできないけど…

和「…だいすきだよ…さとし…」

安心して眠るその横顔に
自分にも聞こえるかどうかの声で
呟いてみた

…恥ずかしいっ…

急激に顔が熱くなってくるのを感じて頭から布団を被った


真っ白なシーツの中で考える

もう少ししたら朝食を作ってあげよう
大野さんの好きなとろとろ卵のスクランブルエッグ

あとは…材料なんかあるかな…

午後からの現場は,ちゃんと俺が送っていくからね


もう一度布団から顔を出して
スヤスヤ眠るその横顔に
そっと唇を重ねた
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