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大野さんのバカ

第1章 1


Satoshi side

ニノの躰からカクリと力が抜けて

慌てて勢いよく床にぶつけないように
腕を伸ばして躰を支えた

俺のモノを抜いた蕾からは
ドロリと俺の吐き出した白濁が流れてきて

その光景に躰に熱がたまりそうになるのを堪えて

ニノを浴室に運んで
汗と潤滑剤の代わりに使った油を洗い流す

綺麗になった躰にバスローブを羽織らせて
寝室のベッドに寝かせて

簡単にキッチンの床を片付ける

その時に視界に入った

ぐちゃぐちゃになった絵と
爪痕のついたキャンバス

適当に言い訳すればいいかと
それをゴミ箱に捨ててから

寝室に戻って
ニノの隣に潜り込んで

ぐっすり眠るその躰を抱き寄せた

智「…すきだよ…かずなり…」

今だけ,と
ニノが寝てるのをいいことに
小さな声で伝えられない気持ちを呟いて

まぶたを閉じようとすると

枕元から聞こえてきた軽快な音楽

和「…んっ…」

その音に反応したニノを起こさないように慌てて
携帯を手に取って画面を見れば

『仕事中?逢いたい』

リンからのメッセージが表示されていて

「今日は無理」

それだけ返して

腕の中の愛しい人をもう1度強く抱き締めてから
今度こそまぶたを閉じた
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