第4章 4
Kazunari side
躰が熱い…
智の腕に抱かれて
舌が絡まるたびに
躰の力が抜けて
自分の中に湧き出る
冷たくドロドロとした嫌な記憶が
薄くなっていく気がした
和「んんっ…んっぁふぁ,はぁっ…」
舌を強く吸われて脚から力が抜け
智の腕に抱えられた
智「和也…ベッド行こうか」
耳元で言われて
ゾクゾクとした痺れが身体に広がっていく
和「ここがいい…」
首を振って見上げると
智は困った顔をする
智「でも,躰痛くなるから…疲れてるし」
たしかに…そうなんだけど
和「早く…ここを,俺の場所にしたい」
全部言いきってから
自分の傲慢な発言に愕然とした
和「あっ…いい…嘘…なんでもない」
結局は智を責めてる自分が嫌になる
好きなのに
まだ,許せない…
伝えなかったことを後悔してるのに
結局,智を責めてる
傍に居たいのに
さっさと忘れて許せばいいのに…
智「和也…」
背を向けた俺をまた温かい腕が抱く
和「…ごめん…」
傷つけたいわけじゃない…
どうしようもないことを責めたって仕方ないし
今,智がここに居るんだから
それでいいはずなのに…
薄れては蘇り
消えかけては溢れてくる
この感情を
上手くコントロールできない…