第4章 PRESENT OF HEART
チャコ4ー① 「感謝の記念日週間♡」
<智>
智「おかしいなぁ~…たしかこの辺に…」
夕食後
納戸の棚の一番下…
本がたくさん入った所を漁っていると
翔「何やってんの~??」
珍しく翔くんが
甘えるようにお尻に張り付いてきた
でも勢い余って力が入りすぎたのか
俺の体は勢いよく棚に突撃した
ゴンッ…
鈍い音と共に
鈍痛が頭から背中を駆け抜ける
智「っ…~~~ってぇ…」
俺はつんのめって転がって
どういうわけか棚に後頭部を強打した
翔「ぅえ!?…ぇえ!?だ…大丈夫…!?さ…さと…くん?」
智「んもぉ…いてぇよぉ~…」
慌てふためいて俺を抱き起す翔くんの顔はぼやけていて
たぶん痛みで涙がでてるんだなぁ…
なんて思いながら…ぼんやりと可愛い弟を見上げた
翔「ごめんっ…どこ?後頭部!?冷やす??」
手で触れると
後頭部は軽くたんこぶになっていた
和「何?どーしたの?」
翔くんの大声に弟達も駆けつけてきたから
慌てて目に浮かんでいた涙を拭った
翔「ごめんっ…ごめんね?潤…なんか冷やすのある??」
潤「うんっ…アイスノン持ってくるね!」
視界がクリアになると
俺よりも翔くんの方が
泣きそうな顔をしていて
思わず笑ってしまった
智「大丈夫だよ…びっくりしただけ…」
そう言っても
翔くんの顔は晴れなかったけど
和と雅紀はホッとした表情を見せていた
和「頭打ったの?…どれどれ…ありゃ…身長伸びたんじゃない?」
雅「後頭部じゃ伸びないでしょ?」
智「お前らうっさいわっ」
翔「智くんしゃべっちゃダメ!!安静にしててっ」
翔くんが真剣な顔をして俺を抱きしめた
潤「ハイ…アイスノン!!タオル巻いたからそのままあてて?」
もうほとんど痛みなんかないのに
何やら大ごとになってしまったけど
俺を抱きしめる翔くんの腕の中は気持ちよくて
しばらくその腕に躰を預けることにした