第3章 CARNIVAL NIGHT
チャコ②-2 「夏の風物詩」
<潤>
智「おまえ…なに愛想ふりまいてんの…?」
翔「いや…だってさ…」
花火を見る前から険悪なムード…
やっと絡んできたお姉さんたちから解放されて
兄弟水入らずになって
誰にも邪魔されずに花火を楽しめる
俺たちの秘密基地に来たのに
これじゃ楽しめないよ…
潤「あの…翔にぃ…助けてくれてありがとね…」
フォローに入ってみたものの…
智「ちょっとこい…」
智にぃに睨まれただけだった
翔「え?…もう花火始まっ…ちょっ…智くん…っ」
翔にぃは腕を掴まれて後ろの茂みに連行されていく
雅「翔にぃ…大丈夫かなぁ…」
和「…触らぬ神に祟りなしだよ…」
そうかもしれないけど…
でも…
潤「俺,やっぱり見てくる…」
にぃ達が消えて行った方へ追いかけた
たしかに…翔にぃは必要以上に笑顔を振りまいてたけど…
でも,全部俺達を守るためで…
だからやっぱり翔にぃだけが怒られるのは可哀想だ…
キョロキョロと木の間を探してると
翔『あっ…やだっ…やめてっ…』
翔にぃの切羽詰まった叫び声が聞こえてきた
潤「翔にぃ!?」
思わず声の方へ走ると…
半分以上浴衣を剥かれた翔にぃが
木に凭れて身を捩っている姿が
目に飛び込んできた
潤「え…っ…しょ…」
思わず絶句して立ち尽くすと
翔にぃを抑えつけている男が俺を睨んだ
智「おまえら邪魔すんなよっ」
いつものふわふわした智にぃとは全然違う…
雄の瞳を光らせた智にぃが翔にぃを貪る
雅「は…はぁ~い…邪魔しませーん…」
後ろから聞こえた声と共に
躰がふわっと包まれて後ろに引き戻された
和「潤くん…あっちいこうね?」
和にぃと雅にぃによって視界を塞がれると
翔「んぁぁっ…待っ…んぅっ…やぁぁ…許してっ」
翔にぃの震える声だけが耳に残って
背筋にゾクゾクと痺れが走った