第3章 CARNIVAL NIGHT
ちろ②-2 「みんなの夏休み」
〈 智 〉
「「じゃあいってきまーすっ」」
潤がナスをリクエストしたらしく
夕飯は夏野菜カレーをみんなで食べて
浴衣に着替えて
5人で花火大会に向かった
智「気持ちいーねー…」
昼間はあんなに暑かったのに
風が少し出てきて心地よくて…
カラン…と下駄を鳴らしながら言うと
翔「ふは…年寄り臭いよ…さとにぃ」
ふっと噴き出しながら笑った
昼間は咄嗟に呼んだんだろうその呼び方を
そんな風に言われると…可愛くて独り占めしたくなった
会場につくと
雅「たこ焼き食べたーいっ」
潤「俺焼きそばっ!」
元気な弟たちが駆けていって
和「ちょっ…勝手に行ったらまたはぐれる…」
呆れたようにカズがその後を追いかけた
智「元気だねー…」
翔「だから年寄り臭いって」
弟を一応見失わないようにしながら
翔くんと話していると
「あのーすいませーん♡」
2人組の女の人が話しかけてきて
翔「ああ…それなら………」
翔くんが対応してるけど…
浴衣の女の人を前に…鼻の下…伸びてるよ?
「ありがとうございましたー♡」
最後まで丁寧に女の人をしっかり見送る翔くんに近づいて
雅「にぃー,置いてくよっ?」
向こうで俺たちを呼んでる弟の方を見ながら
智「ほら,行くよ,翔…」
わざと呼び捨てにして
ぐいっと手を引っ張った