第28章 みかん
それからは焼けた端から、どんどんたこ焼きがなくなっていって。
潤がつくった料理も凄く美味しくて。
酒も進んだし、よく食べた。
夕方にはもうみんなぐったりとなって、リビングに伸びてた。
俺はベランダへ出てタバコを吸っていた。
雅紀がベランダへ出てくる。
「あれ?もう終わったの?」
さっきまで雅紀は食器を洗っていた。
「食洗機入れるだけだから、早いよ」
あれだけ大量なら、食洗機使ったほうが早いわな。
いつもはあっためるだけだから、ちょっとだけだから、手で洗ってるけど。
「そっか…」
そう言って、紫煙を吐き出す。
窓から中を見ると、潤の腕に智くんが頭を載せて寝ている。
ソファではニノとカズヤがお互いに寄りかかって眠ってる。
「なんか、幸せな風景だね…」
雅紀がしみじみと言う。
「そうだな…」
そっと雅紀が手を繋いできた。
ぎゅっと俺も握り返した。
「このまんま、皆、幸せでいられたらいいね…」
「バカ…いられるように皆で努力していけばいいんだよ」
雅紀が驚いた顔を俺に向けた。
「翔ちゃんがそんなこと言うの、意外…」
「そうか…?」
そう言って、俺はたばこを消した。