第28章 みかん
そんなことをしているうちに、一回目のたこ焼きが焼きあがって。
ふーふーしながら、皆で食べた。
「あ、おいしい…」
カズヤが感激している。
「これ、タコが大きくて美味しいね」
「だろ~?築地まで行って買ってきたんだぜ?」
「えー!?マジで?雅紀」
そう言いながら頬張っているのをみると、まだまだ子供だなと思う。
「はまぐり食べたいな」
そういうと、雅紀は生地を鉄板に流し込んで、焼き始めた。
「じゃあ、翔ちゃんスペシャルつくるねっ!」
「まじで?雅紀ありがとう」
そういうと、ロールケーキを出してきたので、全力で阻止した。
「それはデザートにしてくれ…頼む…はまぐりははまぐりで食いたいんだ…!」
「え、でもぉ…」
「あれはあれでうまかった。だが、こんないい素材と一緒にしないでくれ、頼む…!」
そういうと、皆、爆笑した。
「おまえの愛はわかったから…」
「えー。こんなんじゃ俺の翔ちゃんへの愛は伝わらないね…」
そういうと、なぜだか得意げな顔をした。
かわいいやつめ。
おでこを人差し指でつつくと、雅紀は照れたような顔になった。
「も、やめてよ。翔ちゃん…」
伏し目になった顔がかわいかった。
「はいはい…目の毒だから、そういうのは、夜やってね~…」
ニノが割って入ってきたので、焼き手を交代した。