第28章 みかん
皆でぎゅっと抱きあうと、そろそろ二人が到着する時間が迫っていた。
昼前からがっつりパーティーする予定だから、急がなきゃ。
「さ、準備しよ?」
そういうと、皆、笑顔になった。
俺はニノの腰を抱きながらキッチンに戻る。
雅紀もカズヤの肩を抱いていた。
それぞれが、思うところがあって。
それぞれの愛の形があって。
それでいい。
俺達はそれをただ、深めていくだけだ。
それが、俺達の幸せなんだから。
これが俺たちのしあわせの形。
潤と智くんは、大きなトロ箱を抱えてきた。
「こんにちはー!おじゃましまーす!」
智くんが元気よく玄関にはいってきた。
「わーすげー…ほんとに一軒家なんだね…」
潤がキョロキョロしながら上がってくる。
カズヤが玄関にくると、二人共微笑んだ。
「はじめまして!カズヤ!俺、大野!」
「はじめまして!俺、松本」
カズヤは少しためらって、でもにっこり笑った。
「俺、カズヤ。会えて嬉しい…」
潤と智くんは一瞬、隣に立ってるニノを見た。
「に、似てる!」
「にてるねぇ…」
「そう?最近、こいつのほうが男らしいんだよ?」
「ニノより背が大きい…」
そう智くんが言ったら、ニノに叩かれてた。