第28章 みかん
潤と智くんが遊びに来る日が来た。
ちょうど6月の改編期で、特番続きなので、レギュラーの収録が1週飛んだのだ。
その火曜日。
朝から俺たちは準備に追われた。
たこ焼きを焼こうってことになったから。
やっと念願かなって、嵐全員のたこ焼きパーティーをすることになったのだ。
雅紀が張り切って、朝からどこかへ行ったと思ったら、真蛸を買ってきた。
そんなでかいものどうすんだよってニノに怒られてた。
でも、真蛸うまいんだよな…
冷凍しとけば、後でも食べれるし。
雅紀が真蛸の素晴らしさを力説してると、カズヤがキッチンにやってきた。
「うわっ!なにそれっ…グロっ…」
「え?タコだよ?カズヤみたことないの?」
雅紀がタコの入った袋を差し出す。
「ない…タコって赤くないんだ…」
人差し指でつんつんつついてる。
「ご飯はいつもメイドが出してくれてたから…」
「め、メイド!?」
「新宿のうちも、通いの家政婦いたし…」
「あー…まあ、そうなんだろうな…」
一人だけカズヤの実家に行ったことのある俺は、納得した。
ありゃ、使用人たくさんいるわ。
ニノと主演したドラマで、俺がやった役くらいの家だったもん。