第27章 ワインレッドscene3
東京と同じに考えたらダメだな…
とにかく舟盛りも二人前じゃたりないと思って、三人前頼んでしまったし…
アワビも特大だし。
食べきるのに凄く時間がかかってしまった。
「うー…ヤバイ…動けない…」
仲居さんがそんな俺達を見て笑っている。
「すいませんねぇ…言いふらさないでよ?嵐だらしないって…」
俺も苦笑した。
「これ、最後におかみからサービスです…」
そう言って、白いプリンみたいなのが出てきた。
「マジで…」
もう食えない…
「なんかこれ食べると元気になるらしいです」
「え?これなんですか?」
「杏仁豆腐なんですけど、無臭のすっぽんの粉が入ってるんです」
「え!?」
「日頃、お疲れでしょうからって、おかみが…」
「あ、ありがとうございます…」
受け取ると、仲居さんは嬉しそうな顔をして部屋を出て行った。
「潤…」
「なに?」
声に刺があった。
「なに?お前…」
「…別に…」
「喋ってただけだろ?」
「だから、別にって言ってるじゃん」
「お前だってさっき、喋ってただろ?」
「だからいいって言ってるじゃん」