第27章 ワインレッドscene3
「すごい寝言言ってたよ。翔くん」
「え?マジで?」
「なんか、助けてーって」
「…なんだそりゃ…俺、疲れてんのかな…」
そう言って潤の隣の座椅子に座った。
潤が飛び上がった。
「ちょっ…翔くっ…」
そう言って、目線で俺の股間を指した。
ポロリしてた。
慌てて隠すが遅かった。
仲居さんは真っ赤になってた。
「なんか、すいません…」
「い、いえ…」
仲居さんの動きがギクシャクした。
布団を一つ畳んでしまって、スペースを開けると、奥の机にもう一つ机を足した。
仲居さんは一旦出ていったから、慌ててパンツを履いた。
「おまえ…パンツ履かせてくれよ…」
「だってどこにあるかわかんなかったんだもん…」
「焦ったぁ…」
すぐに仲居さんが入ってきて、食事の準備をし始めた。
海の幸が中心で、舟盛りも頼んでおいた。
アワビも活き造りと、ステーキの二つ頼んでおいた。
ビールとワインも。
どっと机にそれらが並ぶと、二つの机が狭く感じた。
「わー…なにから食べていいかわからない…」
潤が呆れたように言う。
「お、おう…」
正直、こんなに出てくるとは思わなくて。
頼みすぎた…