第27章 ワインレッドscene3
奥の部屋で潤がまたお菓子を食べている。
「お前さっき最中食ったばっかりだろ…」
「翔くん、これも美味しいよ」
包みの中身は、これまた和菓子で。
うお。甘そう。
「俺、パス…後で食べる」
そう言って向かいの座椅子に座った。
栄養ドリンクで胸焼けしそうだった。
「お前元気だなぁ…」
「うん。翔くんが運転してくれたから。ありがとうね」
「おう」
「じゃあ、お背中流しますよ…」
そう言って潤は立ちあがった。
「まて…潤。俺はゆっくりした…」
「ゆっくり風呂入ればいいじゃん」
有無をいわさない笑顔に俺は負けた。
「せめてお茶飲ませろ…」
「あ、じゃあ俺先に入ってるね」
そう言って潤は脱衣場に向かった。
俺はお茶をすすりながら、ちょっとだけ、今日体力保つかなと心配になった。
潤の風呂にはいる音を聞きながら、疲れてきたので布団の上にごろっと横になる。
ちょっとだけ。
ちょっとだけ寝させて。
気がついたら少し寝ていたようで。
脱衣場に行くと、風呂場に潤の姿がない。
露天風呂に入っているようだ。
お。
早速…
俺は部屋に戻って、腰の高さの障子をそっと開けた。