第27章 ワインレッドscene3
おかみさんは、寝転がってる俺達を見て布団引きましょうか?と言ってくれて。
潤がお願いしますと答えて、ちらっと俺をみた。
オイ…まだ3時だぞ…
俺の視線は無視して、潤はおかみさんに話しかけてる。
「この辺りにって、なにかありますか?」
「そうですねぇ…あ、足湯ありますよ」
「足湯…」
「今の時期暑いですからねえ。ほとんど人いませんよ…」
そういっておかみさんは笑った。
潤、それはリサーチ済みだ…
普通の足湯から、罰ゲームみたいな足湯まで楽しめる一大足湯施設だ。
ま、こんな時期に行く物好きはいないと思うけど。
暑いから。
屋根ないから、死ぬし。
「そっかー。明日にでも行ってみる?」
全く行く気がないくせに。
「そうだな。午前中に行ってみるか」
おかみさんの手前、そう答えておく。
布団を引き終わるとおかみさんはお茶を淹れてくれた。
「こちらが湯河原のお菓子です」
そういって、美味しそうなお菓子のつつみを出してくれた。
「ではごゆっくりしてください」
おかみさんはそう言って部屋を出て行った。
俺はおかみさんを見送るふりをして、部屋の鍵をかけた。