第27章 ワインレッドscene3
部屋の一間には何にもなくて、奥の一間に机と座椅子が置いてある。
更に奥には掘りごたつもある。
なんにもない一間に荷物を放り出して横になった。
「うおおおお!運転疲れたあああ!」
「お疲れ!翔くん!」
そう言って、潤は栄養ドリンクを差し出した。
「…は?今?」
「うん!」
「なんで?」
「夜に備えてっ!」
にっこにこしていうから、脱力した。
素直に栄養ドリンクを飲むと、更に嬉しそうな顔をするから、ま、いっか。
俺は頭の方にある、腰から下くらいの障子をなにげなく開けた。
するとそこにはガラス越しに露天風呂が見えて。
「あ…なんかえっろ…」
「あ、ほんとだぁ…えっろ」
ふたりでそこから露天風呂をじっとみてしまった。
ここに潤が入ってて、それをここからニヤニヤして眺めるのを想像してしまった。
潤も同じことを想像しているのかニヤニヤしている。
「お前もえっろ…」
そう言いながら潤を押し倒した。
潤は驚いた顔をしたけど、そのまま俺のキスを受けた。
暫く唇だけ合わせて、そろそろ舌を入れようかという時、おかみさんが入ってきて慌てて身体を離した。