第26章 ホワイト
夜中に目覚めたら、カズヤが俺の腕の中にいた。
勝手に腕枕を使ってる。
すやすやといい寝顔だった。
しょうがないな。
ぎゅっと抱きしめて寝た。
俺と同じシャンプーの匂いがした。
それから、二人が居ない日は、俺の部屋で寝るのが恒例になった。
いつも気がついたらカズヤは俺の腕の中にいて。
そのうちめんどくさくなって、最初から腕枕をするようになった。
電気を消したら、カズヤが俺に近寄ってきて、ぎゅっと抱きしめて寝る。
安心するみたいだった。
窓の外をぼんやりみていることも少なくなった気がする。
朝早く目が覚めてしまって。
カズヤはまだ寝ていたから、そっとベッドから起きようとした。
がしっと後ろから掴まれて仰向けにベッドに寝転がってしまった。
「どこいくの…にーの…」
寝ぼけながら怒っている。
「と、トイレ…」
「ん。じゃあ行っていいよ…」
まだ怒った顔のままだ。
大人しくトイレに行ってから戻ると、まだ怒った顔のまま寝ている。
しょうがないやつ…
額を撫でると、キスをした。
ぱちっと目が開いた。
しばらくの間そのまま見つめ合ってしまった。