第26章 ホワイト
その日から、カズヤはぼんやりと外をみていることが多くなった。
真っ暗な街なんて何もないのに。
ネオンや家の明かりなんてみたって心の隙間は埋まらない。
だから翔さんや相葉さんはカズヤを抱くんだろうと思う。
特に相葉さんは、とてもカズヤを大事にしてて。
見てて眩しいほどで。
大学のことも真剣に考えないといけない時期なのに、一向に話は進まなかった。
カズヤの希望進路は、東大の理学部だった。
また度肝を抜かれた。
塾では判定はB+の判定で、今後のがんばり次第だけど、高等学校卒業程度認定試験をとらないといけないと言われた。
昔で言う大検だ。
でも今年の日程は終了していたから、来年まで保留となる。
それまでカズヤは判定をA+まで上げると意気込んでいた。
でもなにか寂しそうで。
俺達がついていても。
親のことが心に響くのは俺もよくわかる。
小さいころ、仕事で遅くなる両親をよく玄関で待ってた。
あの時の気持ちを思い出した。
俺達には限界があるのか。
心臓がぎゅっと縮んだ。