第25章 ベルフラワー scene2
ニノと相葉さんが、付き合ってる。
それは嵐のなかでは公然。
二人はレギュラーの収録が終わると、すぐに帰っていく。
楽屋には3人残される。
いつも冷やっとする。
でも大野さんは泰然としている。
翔さんはずっと新聞を読んでる。
この二人の間になんらかの話し合いがあったかはわからない。
でもあれから翔さんは俺に対してなんにもしてこなくなった。
時々、ピリッとした空気を感じることはあったけど、以前と同じような空気は流れていた。
でも同じようであって、同じではない。
今だに俺は、目が合うと逸らしてしまう。
それがたとえ不意にあった視線だったとしても。
楽屋にマネージャーが入ってきて、今度ある番組の台本を置いてすぐに出て行った。
俺達はそれを受け取って、楽屋を出ようとした。
「あんなことがあったのに、おかしいんじゃねえの?おまえら…」
翔さんが新聞に目を落としながら呟いた。
驚いて振り返っても、目も合わせない。
「潤は、もう俺で感じるようになってたのに…なあ?」
そう言って顔を上げた。
その目はやっぱり冷たくて。
でも顔だけ笑ってて。
怖かった。