第25章 ベルフラワー scene2
「もちろん」
そういうと、カウントを数えながらゆっくりと踊った。
「おお~すげー。俺より覚えてる」
そういうと大野さんは、同じ踊りを踊った。
「…なんかカウントちがくね?」
「えー?俺、カウントなんか取ってねぇもん…」
「いい加減、カウントで踊ること覚えてくれよ…」
「ンタンタの何が悪いんだよっ」
「ンタンタってアンタしかわかんないだろうが!」
大野さんのカウントは、「タンタン、ンタンタ」の繰り返しで、非常にわかりづらい。
すんなり解読するのはニノだけだ。
普通は「ワンツースリーフォーファイブシックスセブネイト」のエイトカウントで振り付けるんだが…
何年踊ってるんだ…この人…
皆に振り付けするようになってからも「ンタンタ」カウントで振り付ける。
本当にこの人、自分を曲げない…
「で?どこがちがうんだよ…」
「だから最初の8の中の…」
「ああん!?」
「ファイブエンシックスのエン!」
「わかりにくいなぁ…」
実際に踊って、鏡を見ながら修正する。
二人の振りが揃うと、非常に気持ちよかった。
汗が滴り落ちる。
モップでフロアを拭きながら、更に踊った。