第25章 ベルフラワー scene2
長いキスが終わると、お互いをずっと抱きしめた。
離したくない。
離れたくない。
誰にも触らせたくない。
「潤…もう翔くんのところへはいかなくていいから…」
「でも…!」
「大丈夫…ちゃんと話つけるから」
「だめだよっ…だめっ…」
「潤…?」
「あの人、俺にやったことを智にやるって言った…!」
「……なんでそれを言わないんだよ」
「言ったら、必ずやるから…あの人…」
「…やらせねぇよ…」
「…え?」
「翔くんに、俺をヤる度胸なんてないって言ってんの…」
「でもっ…」
「いいから…潤」
大野さんは服越しに俺の肩を噛んだ。
久しぶりの快感が、俺を通り抜けた。
「お前は俺だけのものなんだ」
夜になると、大野さんの家に連れていかれた。
一晩中、大野さんは俺から離れなかった。
離してもらえなかった。
どんなに俺がへたりこんでも、大野さんは俺を起き上がらせた。
身体の中から、翔さんを全部追い出すように。
次の日、起き上がれないほどだった。
でも夜になると街に連れだされた。