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カラフルⅠ【気象系BL小説】

第25章 ベルフラワー scene2


帰り際、大野さんが手を繋いでくれたけど、もうどうしていいかわらかなくて。


手を振りほどいてしまった。


驚く顔を見ていられなくて、俺は走った。


駐車場について、車の中で大野さんを待った。


大野さんはこなかった。


ずっと待ってるうちに冷や汗が背中を流れた。


もしかして、翔さんと…


スマホを取り出して、大野さんへ電話をする。


2コールで出た。


『潤…どこにいるんだよ』


「ごめん…車にいる」


『今、行くから』


そういうと電話は切れた。


よかった…無事だった。


安堵したら涙が出た。


涙を止めたかったけど、ずっと出っぱなしで。


大野さんが来ても止まらなくて。


助手席に乗り込んできた大野さんは俺にハンカチを差し出した。


「ごめん…」


受け取って涙を拭いた。


「翔くんだね…?」


「え?」


「潤に酷いことしたの」


俺は目の前が真っ暗になった。


「ち、近寄らないで…」


「え?」


「智…絶対に翔さんに近寄らないで…」


「どうしたんだよ、お前…」


「智は俺のものだからっ…」


「潤…?どうしたの?」


「俺だけのものだからっ…」


「潤、わかってるよ…俺はお前だけのものだよ…?」


そういって俺の頬を包んでくれる。


誰にも大野さんに触らせたくない。


絶対に。
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