• テキストサイズ

カラフルⅠ【気象系BL小説】

第25章 ベルフラワー scene2


大野さんの手は優しくて。


触ったところから温かくなって。


翔さんの冷たい目に凍らされたところが、溶けていくようで。


大野さんが入ってきたとき、この世にこんな幸福があるのかと思った。


幸せだった。


でも時折俺の脳裏に浮かんでくる、翔さんの冷たい視線が、俺を現実に引き戻した。


もういやだ。


俺は大野さんに溺れた。


そうしていれば、思い出さずに済んだから。



「潤…?」


「な、に…?」


荒い息の合間に、なんとか答える。


俺に埋め込まれた大野さんは、もう何回果てたかわからない。


「愛してるよ…」


嬉しかった。


涙が出た。


「お、俺も…あい、してる…」


なんで愛してるより、もっと強い言葉がないんだろう。


なんて言ったら、愛してるより上だって伝わるんだろう。


大野さんに肩を噛まれてのけぞった。


その瞬間、俺は果てた。


声も出せないほどの快感が突き抜けていった。


「っ…はぁっ…」


「俺だけの潤だからな…」


「うん…」


「もう、忘れろ…」



そう言って大野さんはまた、肩を噛んだ。


今度は血が出た。
/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp