第25章 ベルフラワー scene2
翔さんの手が、俺の下に伸びていった。
ここで初めて、これからされようとしていることがわかった。
「やっ…やだっ!離してっ…!」
「あれぇ…?大人しくしてるから、俺とヤってくれるのかと思ったのに…」
力いっぱい暴れたけど、翔さんはどいてくれなくて。
「やめて…俺、大野さんしか好きじゃない…」
そう言うと、翔さんの顔から笑みがなくなった。
冷たい、冷たい目線を俺に落とした。
ゾッとした。
今までみたこともない顔。
翔さんは指を俺の口につっこんできた。
いきなりのことでどうすることもできない。
口から指が出て行くと、俺の後ろに翔さんの指が入った。
「…っ…やっ…やめてっ…」
「ふーん…相当可愛がって貰ってんじゃん…」
冷たい顔のまま、翔さんが言う。
「しょ…さん…やめて…」
懇願の声は届かず、指は俺の中をうごめいている。
ちっとも気持ちよくない。
痛い。
大野さんの指は違う。
もっと優しく動く。
やめて…
動かさないで…