第24章 Coke+シーモスscene2
カズヤの新学期が始まった。
けど、学校へはもういかないことになった。
新宿に学校があったから。
パパがいつ出てくるかもわからないし。
カズヤの新学期は、改めての”翔さん学校”への入学と、相葉さんの家の近所の塾への入塾だった。
最初はいやがったけど、俺達がずっと傍にいる、ここに居ていいと心底わかると入塾に同意した。
その塾は偶然にも、学校から脱落した生徒がいくところで。
カズヤは別に脱落したわけじゃないけど、事情が事情だから。
その塾がちょうどよかった。
生活指導もしてくれるし。
全国模試も大きな系列の塾のを受けられるから、学力を計るのにもよかった。
だんだんカズヤの表情に、高校生らしさが蘇ってくる。
以前のカズヤを知っているわけではないけど、今のカズヤのほうが本当のカズヤなんじゃないかと思う。
子供帰りしたカズヤはだんだん居なくなった。
俺らはお父さんのような気分でそれを眺めていた。
若いカズヤの変化が眩しかった。
同時に羨ましくもあった。
俺達は時々、まだベッドの上で抱き合った。
それはお互いの存在を確認しあうような作業だった。