第24章 Coke+シーモスscene2
口が動いた。
ごめんなさい
そう言っていた。
「なにが?カズヤ…」
そう言ったけど、やっぱり答えなくて。
これは相葉さんの神経が参るわと思った。
本質が陽気な人だから、これが毎日だったらキツいと思った。
俺はソファにカズヤを座らせて、隣に座った。
ずっと手を握ってやった。
なんとなくそうした方がいいと思ったから。
その間に相葉さんと翔さんは食事の準備をしていた。
「カズヤ…声、まだ出ないの?」
そう聞くと頷いた。
子供のように親指の爪を噛んでる。
「やめなさい」
そう言って手を口からどけた。
「爪が傷むでしょ?」
カズヤは驚いた顔をしたが、すぐに頷いた。
俺の顔をじっと見た。
似てる。
みんなそう言うけど、俺に似てるやつなんてみたことなかったから、タカを括ってたけど。
似てると思った。
カズヤが手を伸ばして俺の顔に触れてきた。
思わず伸ばしたんだろう。
手が顔に触れると、びっくりして手を引っ込めた。
「いいんだよ?触って」
笑ってそう言うと、おずおずと手を伸ばしてきた。
手首にまだ濃い痣があった。
この傷はよっぽど深くついたんだろう。
痛々しかった。