第24章 Coke+シーモスscene2
帰り際、深々とママに頭を下げられた。
「カズヤにはもうここに来るなって言っておいて下さい…」
そういうと目頭を押さえて、足早に階段を登っていった。
ゲイにはゲイの悲しみがある。
なんとなく、そう思った。
タクシーの中で俺はこれからのことを考えた。
犯人を特定できたところで訴えるわけにもいかない。
俺達にはどうすることもできない。
なのになんでこんなマネしちゃったんだろ。
あの人達が肩入れするカズヤに、俺も親身になってしまったんだろうか。
キャラじゃないと思った。
でも憔悴しきってるあの人達を見てたら、俺もなにかしたくなって。
材料はあるに越したことはない。
俺は気持ちを取り直した。
俺にできることは、やっていこう。
そう思って座席に深く沈むと、俺は眠ってしまった。
次の収録日、俺は相葉さんと翔さんにパパの話をした。
二人共黙り込んだ。
予想した事とはいえ、はっきりしてしまうと、なんにもできない自分たちがもどかしいんだろう。
「カズヤはどうしてるの?」
翔さんは薄く微笑んだ。
「まだ喋らないよ」
喋れない、じゃなくて喋らないと言った。
相当傷は深いのだろう。
「俺、会いに行っていい?」
二人が驚いた目を俺に向けた。