• テキストサイズ

カラフルⅠ【気象系BL小説】

第24章 Coke+シーモスscene2


帰り際、深々とママに頭を下げられた。


「カズヤにはもうここに来るなって言っておいて下さい…」


そういうと目頭を押さえて、足早に階段を登っていった。


ゲイにはゲイの悲しみがある。


なんとなく、そう思った。




タクシーの中で俺はこれからのことを考えた。


犯人を特定できたところで訴えるわけにもいかない。


俺達にはどうすることもできない。


なのになんでこんなマネしちゃったんだろ。


あの人達が肩入れするカズヤに、俺も親身になってしまったんだろうか。


キャラじゃないと思った。


でも憔悴しきってるあの人達を見てたら、俺もなにかしたくなって。


材料はあるに越したことはない。


俺は気持ちを取り直した。


俺にできることは、やっていこう。


そう思って座席に深く沈むと、俺は眠ってしまった。





次の収録日、俺は相葉さんと翔さんにパパの話をした。


二人共黙り込んだ。


予想した事とはいえ、はっきりしてしまうと、なんにもできない自分たちがもどかしいんだろう。


「カズヤはどうしてるの?」


翔さんは薄く微笑んだ。


「まだ喋らないよ」


喋れない、じゃなくて喋らないと言った。


相当傷は深いのだろう。


「俺、会いに行っていい?」


二人が驚いた目を俺に向けた。

/ 1124ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp