第24章 Coke+シーモスscene2
「なんでそのこと…」
大ビンゴ。
この人はなにもかも知ってる。
俺はそう思ったから、悪いと思ったけど全部打ち明けた。
「あの子…この前来た時なんにもいってなかった…」
ママが言うには、ママとカズヤは親子みたいなもんで。
だからこそカズヤは言えなかったんじゃないかと思うけど…
「そんな酷い目にあってたなんて…」
そういうと涙ぐんだ。
カズヤを心配する大人が、ここにも居た。
俺は少しだけ安心した。
なんでこれだけの大人に愛されるのに、両親には愛されなかったんだろう。
育児放棄されたんだろう。
「パパ…内藤さんは捕まりました」
「え!?」
「覚せい剤所持で…」
ママは俺の顔を真剣な眼差しで見た。
「でも初犯だから、執行猶予がついてすぐに出てくると思います…」
カズヤのうちの玄関にばら撒かれた覚せい剤を思い出した。
やっぱりパパが犯人だった。
「しかし…似てるわねぇ…」
「え?」
「ニノとカズヤ。テレビで見てたら思わなかったけど…似てるわ…」
「そうですか…?」
俺はまだボコボコに腫れた顔しかみたことないから、実感が沸かなかった。
ママにお礼を言うと、俺は新宿を後にした。