第24章 Coke+シーモスscene2
玄関がオートロックだったから、難儀した。
でも朝帰りの水商売のおねえさんがドアを開けてくれた。
俺たちをみるとウィンクしながら去っていった。
嵐だってバレバレの格好できたことをちょっと悔やんだ。
カズヤの部屋の前にくると、翔さんが駆けていった。
よっぽど心が急いているんだろう。
翔さんがドアノブに手を掛けると、鍵が開いていた。
翔さんが俺の顔を見る。
二人共いやな予感しかしてなかった。
中に入ると嫌な臭がして、白い粉が散乱していた。
細いパイプが置いてあった。
シャブだとすぐわかった。
芸能界はこういうことやってるやつ多いから、みたことだけはあった。
翔さんの顔色は真っ青だった。
奥に進むと、ガランとした部屋に少しだけ家具が置いてあって。
豪華なマンションなのに、閑散とした部屋に驚いた。
部屋の隅になにか転がってた。
「カズヤっ…!」
翔さんが駆け寄った。
それが人間だとは到底思えなかった。
ボロ雑巾のようになっていた。
身体の所々がどす黒く変色して、両手を後ろで縛られて。
手の先にはシャツだったらしき布が巻き付いていて。
カズヤは裸だった。
顔も腫れ上がっていた。
涙の痕がいくつもついていた。
つい先程まで意識はあったんだろう。
何があったのか、俺も翔さんもすぐにわかるほど酷い状況だった。