第24章 Coke+シーモスscene2
「まだ1時だから。警察とかは後にしろよ」
そう言って電話を切った。
俺はリビングへ入っていった。
翔さんがびくっとしてこちらを向いた。
「…どうしたの?何があったの?」
「いや…なんでもない…」
顔色が真っ青だった。
「なんでもないって顔色じゃないよ?」
「ニノ…」
そう言うと俺は抱きしめられた。
「どうしたの?ホントに…」
なにか翔さんから言いようのない緊迫感と焦燥感が漂っていて。
俺は放っておけなかった。
「言ってよ。俺も一緒に考えるから…」
「ニノには迷惑かけられないから…」
そう言って俺から身体を離した。
なんで?
なんで言ってくれないの?
「ごめん…ちょっと一人にしてくれないか…」
びっくりした。
翔さんにそんなこと言われたことなかった。
「ちょっと…どういうことだよ…」
翔さんは背中を向けて答えない。
「俺に好きって言っておいて、こんなことまでしといて…都合が悪くなると俺だけ蚊帳の外かよ…」
それでも翔さんは俺に背を向けている。
「ふざけんなよ!」
そう言って翔さんをこちらに向かせた。
翔さんは泣いていた。
「傷ついてる子がいる…」
そう言って顔を手で覆った。